鉄道レポート(3) ディズニーリゾートラインの研究 ~Type XからType Cへ~
久しぶりの鉄道レポートです。今回はブログの管理人ではなく、別の班員が書いたレポートをお届けします。
テーマはディズニーリゾートラインです。
1. リゾートラインの概要
ディズニーリゾートライン(以下DRL)は、千葉県舞浜にある東京ディズニーリゾートの周りを反時計回りに走る跨座式モノレールです。ディズニーリゾートに行ったことがある人なら、1度は乗ったことがあるかもしれません。2001年(平成13年)7月27日に開業し、1周5㎞の距離を最高速度50㎞、13分で走っています。車窓からは、パーク内では見ることのできないディズニーリゾートの裏側を観察することができ、それもまた魅力となっています。(注:筆者個人の考えです。)運営しているのは、オリエンタルランドの完全子会社である「舞浜リゾートライン」で、京成グループに加盟している会社です。(オリエンタルランドの最大株主は京成です。)
DRLの特徴は自動運転で、無人運転を行っています。そのため先頭車両は運転席のない展望車両となっており、子どもたちに大人気です。最後尾の車両は車掌室となっており、こちらには展望席はなく、車掌が乗務しています。
駅は、
・リゾートゲートウェイ・ステーション駅(舞浜駅・イクスピアリに隣接)
・東京ディズニーランド・ステーション駅(東京ディズニーランドに隣接)
・ベイサイド・ステーション駅(オフィシャルホテルに隣接)
・東京ディズニーシー・ステーション駅(東京ディズニーシーに隣接)
の4駅で、それぞれ隣接する施設をイメージさせるつくりとなっています。また、舞浜リゾートラインの本社と車庫は東京ディズニーシー・ステーション駅を過ぎたところ、左側にあり、時に留置されている車両も見ることができます。
車両については後述しますが、6編成5本が在籍し、2019年度は2205万人が利用しました。
2. 車両について
現在、運行されている車両は2種類あり、全般検査などの大規模な検査は自社工場では行えないため、京成電鉄の宗吾車両基地(千葉県酒々井町)に陸送して行っています。
①Type X(10形)
DRL開業時から活躍している車両で、1編成当たりの定員は537人。車体はアルミニウム合金。6両編成5本が日立製作所笠戸工場(山口県)で製造され、編成ごとに車体下の波の色が異なっています。
第1編成→ブルー
第2編成→イエロー
第3編成→パープル
第4編成→グリーン
第5編成→ピーチ
近年は、
・前照灯がHIDに交換。
・ドア上の案内表示がLEDから液晶画面に更新。
・イベントなどのラッピングがされていない車両は、ミッキー型の窓に顔が書かれるようになった。 (2021年初めに撤去)
・展望席に感染症対策の仕切り版を設置。
と、少しずつ変化しています。
しかしながら、2020年からのType C(100形)投入に伴い、長年愛されてきたこの車両も、ついに廃車が始まりました。廃車第1号は第2編成で、5月末に運用を離脱、その後基地に送られることなく、車庫内で解体されました。
今後、毎年1編成のペースでType Cが導入されることになっているため、それに併せて毎年1編成ずつ廃車され、2024年までに全廃される見込みとなっています。
このほかに第4編成(グリーン)が在籍しています。
②Type C(100形)
2019年12月に日立製作所笠戸工場で落成した最新型車両で、船により搬入され、陸送されました。1編成当たりの定員は564人。車体はアルミダブルスキン。
Type Xからの変更点として、
・車体下部の波が2色のグラデーションに変更。
・座席がラウンド型からロングシートに変更。
・窓の大きさが拡大される。
・フリースペースが各号車に設置される。
などが挙げられます。第1編成はイエローで、2020年5月21日からデビュー予定でしたが、中国武漢発のウイルスの感染拡大により延期され、7月3日から営業運転が開始されました。
今後も1年に1編成のペースで増備され、2024年までに5編成が登場し、Type Xを全て置き換える予定となっています。11月には第2編成のピーチが搬入され、翌年1月26日から営業運転を開始しています。
両者を比べると、座席だけでなく窓枠やドアなども異なっていることが分かります。
3.路線の見どころ
各区間の車窓で見ることができるものについて解説します。
①リゾートゲートウェイ・ステーション~ディズニーランド・ステーション間
・進行方向右側➡舞浜駅とディズニーランドのバスターミナル
・進行方向左側➡TDRのアトラクションの「カリブの海賊」の裏側、TDRのゲート
②ディズニーランド・ステーション~ベイサイド・ステーション間
・進行方向右側➡TDRの立体駐車場、オフィシャルホテル
・進行方向左側➡TDLのトゥモローランド~ファンタジーランド~トゥーンタウン
の裏側
*2020年9月にオープンした美女と野獣の城や、工事中の新規開発エリ
ア(ピクサーホテル)も望める。
③ベイサイド・ステーション~ディズニーシー・ステーション間
・進行方向左側➡TDSのロストリバーデルタ~ポートディスカバリー~アメリカン
ウォーターフロントの裏側
*「タワー・オブ・テラー」の裏側では、キャラクターグリーティ
ングに向かうキャラクター達が列車に向かって手を振ってくれる
ことがある。
④ディズニーシー・ステーション~リゾートゲートウェイ・ステーション間
・進行方向右側➡浦安運動公園・京葉線
・進行方向左側➡リゾートラインの車両基地、アンフィニティシアター、アンバサ
ダーホテル、イクスピアリ
4.乗車券について
①普通乗車券
220円均一。ICカードも使えます。
②フリー切符
フリー期間が1日~4日と様々な種類があるほか、TDRのイベント等に合わせたデザインとなります。
③普通回数券
10回分の値段で11回使用できます。
④定期乗車券
主にベイサイド・ステーション近隣にあるホテルの従業員が使用しているようで、1、3、6か月の3種類があります。
⑤団体乗車券
25人以上で運賃が1割引き(学校団体は2割引き)になります。
5.終わりに
ここまでDRLについてみてきましたが、その面白さに改めて気づいていただけたでしょうか。これからType Cの増備に伴いType Xの廃車が進行するため、両方の車両が楽しめるのは今の内です。ぜひ行って乗り比べてほしいと思います。このレポートがDRLを楽しむ一助になれば幸いです。
6.参考文献
【公式】東京ディズニーリゾート・オフィシャルウェブサイト | 東京ディズニーリゾート (tokyodisneyresort.jp)