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学校説明会&鉄道レポート(5) 2020年の鉄道混雑率発表を見て

 本日は、学校説明会が行われました。例年と異なり、人数を制限する形での実施となりました。鉄道班は今日も模型製作を行ったため、ついでということで、小さめのレイアウトを組んで模型を動かしておきました。

本日の写真集をお楽しみください。

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2019年度のコンテスト出展作品(理科室にて展示)

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JR西日本223系

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JR東日本E231系

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JR東日本E657系と伊豆箱根鉄道7000系

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JR西日本521系

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車両基地の様子

思い切り広げているように見えるかもしれませんが、あくまでもついでです。

 

さて、今回も鉄道レポートを更新しようと思います。最近、ついに2020年の鉄道の混雑率が発表されました。前年までと生活様式が大きく変わり、テレワークや時差通勤が推奨されるようになったため、数値にも大きな変化があることが予想されます。実際、管理人が使用している路線も、2020年2月あたりまでは途中駅で乗り切れないということが多々ありましたが、今は乗り切れるかどうかのギリギリのラインくらいまで混雑が緩和されています。

*混雑率とは…鉄道の定員に対する乗客数の割合。ここでの定員とは、船や飛行機のものとは異なり、座席、吊り革や手すりが埋まる程度の乗客数であるため、100%を超えることもある。

1.今年のデータ

それでは、国交省の方から出された統計を見てみましょう。

001413543.pdf (mlit.go.jp)

さて、皆様はどう感じられたでしょうか。

今回見た第一印象としては、全体的にかなり混雑が緩和されたと思いました。中には混雑率が100%を切っている路線もあります。やはり新しい生活様式のもたらした影響は大きく、時差通勤やテレワークの流れが大きく広がった印象を受けます。

それでは、どれほどの混雑緩和になったのか、2019年度までは恒常的に混雑率トップ10に台頭していた路線をいくつか見ていきましょう。

 

2.路線ごとの分析

1.東京メトロ東西線

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東京メトロ東西線05系

千葉県・西船橋駅から東京都・中野駅までを結ぶ東京メトロ東西線西船橋側の混雑は尋常ではなく、混雑率も毎年のように200%近い数字を叩き出していました。もともと乗客の多いJR総武線の乗客を奪っただけではなく、開業当初は何もなかった江戸川区南部や千葉県浦安市周辺も発展し、さらには東葉高速鉄道との直通により、八千代市方面の乗客も乗ってくるようになったため、列車は常に満員状態といっていいくらいでした。駅員などが乗客を押し込むということも日常的に起こっていました。

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かつての朝ラッシュ時 東陽町駅の様子

さて、そんな東西線ですが、2020年の混雑率はなんと123%。数値的にはかなり混雑が緩和されています。実際、乗り切れない、あるいは無理矢理押し込むということはほとんど無く、かつての混雑に比べれば随分楽に乗れるようになったと思います。

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しかし、未だにこの程度の混雑にはなるので、劇的に混雑が緩和されたかと言われると答えに悩みます。(学生の少ない期間でさえこれなので、実際はもう少し混むと思います。)

2.JR総武線各駅停車

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JR総武線各駅停車E231系

総武線の各駅停車も、混雑路線として名高い路線でした。各駅で乗客を確実に増やして東京都内に入り、最後に錦糸町で快速からの乗り換えの乗客が混雑にとどめをさしていた状態でした。混雑率も東西線に並んで、200%近い数字を記録していました。

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かつての朝ラッシュ時 両国駅の様子

そんな総武線各駅停車も、混雑率は111%まで減少しました。こちらも数字上は大幅な混雑緩和になっています。実際、錦糸町や両国などで押し込まれるほどの混雑に比べると、混雑は緩和されたと思います。

3.JR総武線快速

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JR総武線快速E217系

総武線の各駅停車はかなりの混雑で有名だったと述べましたが、快速も非常に混雑することで有名です。千葉県の各方面から乗客を乗せ、船橋や市川といったニュータウンを抜けてくるため、15両をもってしてもかなりの混雑を見せていた印象です。当然、混雑率も180%を超えている状態でした。

しかし、こちらも混雑率は105%まで緩和されました。たしかに車両の中央付近はかなり混みあいますが、端の方まで行けばドアの前は誰も立っていないくらいの混雑です。

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帰宅ラッシュ時 錦糸町駅の様子
4.東急田園都市線

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東急田園都市線8500系

東急田園都市線もかなりの混雑で有名でした。沿線には三軒茶屋二子玉川、たまプラーザ、あざみ野、青葉台などの町を抱えているため、非常に混雑する路線でした。その影響は直通先の東京メトロ半蔵門線にも出ており、半蔵門線渋谷→表参道間もかなり混雑していました。

しかしながら、東急田園都市線の混雑率は126%、半蔵門線の渋谷→表参道も111%まで緩和されました。数字上はかなりの混雑緩和になっているといえます。しかし、私はまだ観察を行ったことはありませんが、YouTubeで動画を見てみると、実際はまだまだ混雑しているようです。

3.混雑率のトップ10はどこか

ここまで、2019年までは混雑率トップ10の常連だった路線を見てみましたが、今年の混雑率トップ10は今まで全く混雑が有名でなかった路線が入ってきています。1位は日暮里・舎人ライナーですが、2位はなんと、JR信越線の新津→新潟でした。その他にも、4位のJR可部線可部→広島、10位のJR白新線新発田→新潟など、地方都市の路線がいくつか入ってきています。

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新潟地区の列車に使われるE129系

これには、2つの理由があると考えられます。一つには、三大都市圏の混雑が時差通勤やテレワークなどによって緩和されていること、もう1つには、地方都市の混雑はそれほど緩和されていないことです。

一つ目については言葉の通りで、そのために相対的に地方都市の混雑が目立っているということです。そして、もう1つの理由について、地方都市の混雑については前回の記事でも述べましたが、客層として時差通勤やテレワークが難しい学生が中心であるため、それほど混雑が緩和されていないのではないのではないかと思います。

4.まとめ

「新しい生活様式」は、ラッシュ時の混雑事情を大きく変えました。しかしながら、現在時差通勤やテレワークが進んでいるのも一時的なものでしかなく、パンデミックが収束したらすぐに混雑が戻る可能性もあるといえます。今後混雑がどのように変わっていくのか、気になるところです。

今回の更新は以上となります。気になった点などございましたらコメントをお寄せください。

 

順位についてはこちらを参照しました。

鉄道混雑率、首都圏「上位独占路線」が姿消す激変 | 通勤電車 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)